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715系
※この車両は改造講座で制作したモデルです。商品化はされていませんので、ご注意ください。
ひょうきん国電の始祖715系のインパクトある編成美。

この車両は、当時余剰となっていた581系を近郊型に改造したもので、国鉄財政のたいへん厳しい時代の申し子といえる存在である。優等列車に使用されてきた車両が普通列車に転用される例は165系やキハ58系など少なくなかったが、塗装や設備が大幅に変更されて投入された715系はそれまでの国鉄の運用施策を知る者からすれば前代未聞の車両であったといえる。

そもそも581系が抜擢された経緯から見てみよう。言及するまでもないかもしれないが、東海道・山陽新幹線の開業により、70年代後半から80年代前半にかけて東海道路及び山陽路の寝台特急は厳寒の時代を迎えていた。そのような折、昭和57年11月に上越新幹線の開業と東北新幹線の本格的な運行開始に伴うダイヤ改正が実施に移され、全国的な車両運用の変更が生じることになった。利用率低下が目立っていた「金星」と581系による「明星」もこの機に廃止されてしまい、また、残存した列車の編成も12両から10両に減量されたため、大量の581系が余剰車となってしまった。

他方、電化が完了していたにも関わらず気動車や客車によって運行されていた長崎本線・佐世保線の普通列車を電車化する計画があったのだが、折からの厳しい財政状況で高価な交流電車の新製投入は憚られていた。ここで両者の需要と供給が一致し、581系を近郊型車両へ改造することとなったのである。主な改造点は寝台設備の撤去、2扉化、一部側窓の2段昇降式ユニットサッシ化、出入り口付近のロングシート化、トイレの撤去/閉鎖などがあげられるが、最も注目されるのは、何といっても全国画一の塗装であった国鉄標準塗装から脱却し、地域独自の塗装が採用されたことである。

以後、北陸地区用の419系、東北地区用の715系1000番代が登場しファミリーを増やす。両系式とも運行区間が積雪地域にあたるため、耐寒対雪対策が施されている点が共通しているが、715系の直流関連設備は撤去されたのに対し、419系は直流区間への乗り入れを考慮してそれが残されている。また、地域独自の塗装は両系統にも受け継がれており、419系は赤と白、715系1000番代は0番代と色は同じだが先頭車のデザインが異なっている。なお、715系0番代と419系はJR化後に塗装変更が実施されている。現在では北陸の419系以外は後進に道を譲り、引退してしまった。

九州地区用715系以降、国鉄は様々な改造車を生み出すことになる。従来の国鉄では考えられないようなバラエティに富んだ車両改造と塗装は、当時の鉄道ファンの度胆を抜いたという。彼らの間では、その頃流行していたバラエティ番組の表題をもじって「ひょうきん国電」と呼ばれることもあった。

419系がいまだ現役で活躍するJR西日本では、それに通じる改造車両が多く見受けられるが、JR東日本では、E231系及びE257系など大量生産された新車を投入することによってサービス向上を目指すなど、国鉄改革から15年以上の歳月を経て、車両施策だけをみてもかなりの違いがあるのは非常に興味深い。

前面の貫通扉上に設けられていた特急シンボルマークは撤去され、後にJNRマークも外された。
普通列車用に改造されるにあたり、パンタグラフが1基撤去されている。
中段、上段用に設けられた小窓も、一部の車両では残されたが、末期には埋められた。
一度、この姿を見た者は忘れられなくなる強烈な印象の先頭車化改造車
トレイン写真館2004年12月も併せて参照されたい。