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こだま
●列車ものがたり----『こだま』
東海道新幹線といえば「のぞみ」「ひかり」が話題にのぼりやすいが、その一方で地味な印象が付いて回るのが「こだま」である。しかしながら「こだま」しか停まらない駅も多く、いわば「縁の下の力持ち」的存在なのである。今回は、そんな「こだま」に焦点を当ててみたい。

「こだま」の愛称は、昭和33年に登場した。東京〜大阪間の日帰り旅行を可能にした151系電車による初の電車特急に名付けられた輝かしい愛称である。ビジネス特急として人気を呼び、指定券の入手は非常に難しかったと伝え聞く。パーラーカー、食堂車、そしてビュフェを組み込んだ豪奢な列車が、東海道新幹線開業まで東京〜大阪間を駆け巡った。

東海道新幹線開業後は各駅停車タイプ新幹線の愛称に召し上げられた。速達タイプはご存知のとおり「ひかり」である。「ひかり」=光、「こだま」=音だから、「光速・音速」という洒落た組み合わせである。151系時代のような華はないものの、高度成長期の東海道の輸送を地道に支えたといえる。
昭和40年に特急列車として初めて自由席が設定され、予約無しに飛び乗れる簡便性が好評となった。それまでの特急の普通車(当時の二等車)には指定席の設定しかなく、気軽に利用できるものではなかったという。
以降、自由席主体の気軽に利用しやすい特急のはしりとして活躍しているが、「ひかり」に比べ、利用客は少なかったので、東海道新幹線では昭和59年から数年間、12両に減車していた。さらに沿線人口が少ない山陽新幹線ではその傾向が顕著で、結果6両編成、4両編成という短編成も誕生した。また東海道新幹線では、利用率が芳しくない「こだま」指定席に乗客を呼び込むため、通常2列+3列の配列である座席を2列+2列のゆったり設計とした「2&2シート」が設けられた時期もあった。

長距離では苦戦していた「こだま」ではあるが、東京〜三島間といった短距離の設定が増加。これは、通勤需要を満たすためのものだが、新幹線で通勤などということは開業時には考えもつかないことであった。時代の変化に対する新幹線の即応性が垣間見えるエピソードである。
厳密には新幹線ではないが、博多から博多南でも活躍しており、九州新幹線全線開通後の去就が注目されている。
「のぞみ」「ひかり」を補完する長距離輸送、「のぞみ」「ひかり」からの乗り継ぎ輸送、中距離の中規模都市間輸送、短距離の通勤輸送など、様々なニーズに応える「こだま」は現代の「長距離鈍行」といってもよい趣を持つ。「のぞみ」で目的地にいち早く到着するのも良いが、たまには「こだま」で全区間をのんびり乗り通すのも乙なものではないだろうか?
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