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列車ものがたり
丹後

●列車ものがたり----『丹後』
急行「丹後」は比較的最近まで急行列車として生存し続け、しかも最期まで国鉄急行色車両によって多くの本数が運行されていた稀有な存在である。「丹後」は京都と日本海側の舞鶴方面(東舞鶴・敦賀)、宮津方面(天橋立)、そして福知山方面(福知山・豊岡)を結ぶ準急として誕生し、山陰本線京都口のクイーンとして長らく君臨した。当初はキハ26形やキハ28形が中心であったが、昭和43年のいわゆる「よんさんとお」改正※1で急行に格上げされた頃からはキハ58形も徐々に投入されるようになった。また、運転本数も最大8往復にまで拡充されることになる。

運行経路は複数種あり、なかでも変り種は山陰本線から舞鶴線に入り、宮津線(現:北近畿タンゴ鉄道)を経由して豊岡に行く「丹後」で、途中、綾部と西舞鶴で2回も方向転換する迷走(!?)ぶりは東北地方の多層階建て急行※2に負けずとも劣らない複雑な運行経路であった。

昭和47年には同区間に特急「あさしお」※3が登場し、山陰本線京都口ナンバー1は譲ったが、5〜6往復の本数を維持したまま運行が続けられた。本数もさることながら使用車両も車種・塗装などに手を加えられることなく、平成になっても往年の急行列車のイメージを色濃く残していた。

これは走行路線の電化工事が遅れていたうえに、並行する高速道路が未整備だったことで、スピードアップや新車投入という誘引が働きにくかったことによるもの。しかしながら、車両の老朽化が進み、かつ平成8年に園部−綾部間の電化が完成し、山陰本線京都−城崎間が全線電化されたことに伴い、電車化と特急への格上げが実施され、「丹後」は消えてしまった。

なお現在は、「はしだて」(天橋立行)、たんば(福知山行)、まいづる(東舞鶴行)、きのさき(城崎行)が「丹後」の役割を継承している。全て183系による運行だ。急行列車そのものが各地で消滅していくなか、多くの本数が運行され、さらにキロ28(しかも国鉄急行色!)を連結した「丹後」はマニアの人気が高い列車であった。

※1・・・この改正で準急列車が全廃された。
※2・・・複数の列車を併結し、一本にまとめた列車。東北地方で多く見受けられた。一例をあげると、東北本線経由の上野−大鰐間の急行「みちのく」には、上野−一ノ関・花巻間では盛行と宮古行の急行「陸中」が連結され、さらに盛岡−尻内(現:八戸、昭和46年に改称)間では準急「うみねこ」が連結されていた。
※3・・・当初の運行は京都−城崎、京都−城崎(宮津線経由)、京都−倉吉、京都−米子となっていた。なお、「丹後」とともに「あさしお」も廃止されている。
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